イタリア語万華鏡11 『 ホットケネーゼ、ヤッテラレネーゼ 』

055.gif  『イタリア語万華鏡』 古浦敏生より 

11 『 ホットケネーゼ、ヤッテラレネーゼ 』

イタリアの都市名には、形容詞形を有するものがある。たとえば、首都ローマRoma
に対するロマーノromano「ローマの」、芸術の都フィレンツェFirenzeに対するフィオ
レンティーノfiorentino「フィレンツェの」、北部の工業都市ミラノMilanoに対するミラ
ネーセmilanese「ミラノの」などがそれである。さて、“どの都市名からどんな形容詞
形が派生するのか?”ということであるが、これは、外国人たる我々日本人には厄介
な問題の一つである。
上記の3大都市だけ見ても、-ano、-ino、-eseと3通りの接尾辞が現われる。
 そこで筆者は、形容詞形を有する166種のイタリア都市について調査した結果、
“都市名の末尾がいかなる母音であれ、その形容詞形の接尾辞は-eseが圧倒的
多数を占めていること、但し、都市名の末尾が-aに終わる場合は接尾辞-anoが、
都市名の末尾が-oに終わる場合は接尾辞-inoが現われやすい”、ということが判明
した。
しかし、南伊の都市ターラントTarantoは、タランティーノtarantinoとタレンティーノ
tarentinoの2種の形容詞形を有している(前者は現在の都市名Tarantoに由来する
形であるが、後者は古代ローマ時代の都市名Tarentumに由来する古形である)。

また、都市名の末尾が同じ音であるのに、形容詞形が異なっている場合もある。
たとえば、キオッジアChioggiaとフォッジアFoggiaの場合、ともに末尾は-oggia
であるのに、キオッジアはキオッジオットchioggiotto、フォッジアはフォッジャーノ
foggianoとなる。
 
東京の某大学でのイタリア語の授業中に、接尾辞-eseの使用が拡大し、ホットケネーゼ、
ヤッテラレネーゼなどの表現が一時流行したそうだ。
確かに、“どの都市名からどんな形容詞形が派生するのか?”という問題はとても興味
深いのでホットケネーゼである。しかし、ChioggiaとFoggiaとの差異などに行き当たると
ヤッテラレネーゼということになるであろう。
この種の学生語は、「東京都港区白金台周辺に住む専業主婦や、高級感をかもし出す
ために白金台周辺でショッピングを楽しむ女性」という意味のシロガネーゼに端を発して
いると言われている。(「白金」は正しくは「シロカネ」なので、「シロカネーゼ」となるべき
ところであった。)

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ヴェネツィアのゴシック建築カ・ドーロ (カ・ドーロは「黄金の館」という意味)

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カテゴリ:イタリア語万華鏡 古浦敏生

古浦敏生(こうら・としお)
広島日伊協会理事 故マリーザ・バッサーノさんよりイタリア語を学ぶ。
広島大学名誉教授。言語学専攻。
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by hiroshimaitaly | 2011-11-01 19:24 | イタリア語万華鏡 古浦敏生

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