イタリア語万華鏡 古浦敏生

イタリア語万華鏡40 『 「たんと」とタント  』

055.gif  『イタリア語万華鏡』 古浦敏生より 

イタリア語万華鏡40 『 「たんと」とタント  』

日本語には「たんと召し上がれ(=たくさんお食べなさい)」という
表現がある。
イタリア語のタントtantoも「たくさん」という意味であって、日本人
には覚え易い単語の一つである。このほか、覚え易いイタリア単語
としてカモーシcamosciがある。
これはカモーショcamoscioの複数形であって、「カモシカ」のこと
である。また、イタリア語のタヴェルナtavernaは、「食べるな」と音
が似ているが、「大衆食堂、居酒屋」のことであって、大いに食べて
かまわない場所である。

このような系統的には無関係の日伊両言語間の偶然の一致は前述
の「根競べ」とコンクラーヴェconclaveにも見られる。
筆者は「広島日伊協会」の理事を長年拝命しているのであるが、会員
の方から“広島方言の~ジャケー「~だから」は、イタリア語のジャッケ
gacchè「~だから」に相当する”ということを教えていただいた。
アクセントとしては広島方言はジャが高く、いわゆる「頭高アクセント」
であるのに対して、イタリア語ではケが強く、いわゆる「尾高アクセント」
である。
このような偶然の一致現象はほかの言語同士にも存在する。
たとえば英語とペルシャ語のbadはともに「悪い」という意味の形容詞
である。また、ドイツ語のカウフェンkaufenは「買う」という意味の動詞
である。もし「売る」がウルフェンurufenであったなら、もっと覚え易い
のであるが……。

a0125731_11181197.jpg

中世の塔に囲まれたサン・ジミニャーノのチステルナ広場(チステルナ
は「井戸」という意味)

072.gifこちらから1~すべての記事が読めます↓
カテゴリ:イタリア語万華鏡 古浦敏生

古浦敏生(こうら・としお)
広島日伊協会理事 故マリーザ・バッサーノさんよりイタリア語を学ぶ。
広島大学名誉教授。言語学専攻。
[PR]
by hiroshimaitaly | 2012-05-01 11:15 | イタリア語万華鏡 古浦敏生 | Comments(0)

Associazione italo-giapponese di Hiroshima 広島日伊協会へようこそ♪


by kibi
カレンダー
S M T W T F S
1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30