イタリア語万華鏡2 『 新幹線は女性、ひかり号は男性 』

055.gif 『イタリア語万華鏡』 古浦敏生より 

2 『 新幹線は女性、ひかり号は男性 』

イタリア語の名詞には、固有名詞に限らず普通名詞でも、男女の性別がある。
もちろん、自然の性に従って、パードゥレpadre「父」は男性、マードゥレmadre
「母」は女性である。しかし、デンテdente「歯」やフィウーメfiume「川」は男性
であり、キアーヴェchiave「鍵」やノッテnotte「夜」は女性である。このような
区別はラテン語の時代からの伝統とその後の変革に起因する現象であって、
単純なルールに収斂するわけにはいかない。

さて、日本語の名詞がローマ字書きされてイタリア語の文中に埋め込まれる
場合でも、こういった男女別に区分されることになる。その際、当該の日本語
名詞の意味内容と最も近似のイタリア語名詞の性が採用される場合が多い。
たとえば、Shinkansen「新幹線」はリーネアlinea「路線、軌道」という女性
名詞の影響で女性とされ、Hikari「(JRの)ひかり(号)」はトゥレーノtreno
「列車」という男性名詞の影響で男性とされる。
ただ、この際、近似の意味内容を有するイタリア語名詞がいくつか存在し、
その中に男性名詞・女性名詞が並存している場合には、当然のことながら、
「性のゆれ」が生ずる。たとえば、geta「下駄」は、男性名詞のサンダロ
sandalo「サンダル」と女性名詞のスカルパscarpa「靴」の競合が原因で、
男性として扱われたり、女性として扱われたりする。

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カテゴリ:イタリア語万華鏡 古浦敏生

古浦敏生(こうら・としお)
広島日伊協会理事 故マリーザ・バッサーノさんよりイタリア語を学ぶ。
広島大学名誉教授。言語学専攻。
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by hiroshimaitaly | 2011-09-05 22:18 | イタリア語万華鏡 古浦敏生

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