イタリア語万華鏡9 『 風に色がついている! 』

055.gif  『イタリア語万華鏡』 古浦敏生より 

9 『 風に色がついている! 』

イタリア語の色彩形容詞は、他の品質形容詞と異なり、隣接・後続する名詞によって
修飾される。
たとえば、「火のような赤い色」という場合、色彩形容詞rosso「赤い」の後に名詞
fuoco「火」が(前置詞や接続詞を介さないまま)置かれ、color rosso fuocoという
奇妙な構造となる(colorは「色」という名詞)。
color verde bottiglia「瓶の緑色」(verde は「緑の」、bottigliaは「瓶」)、color
nero carbone「石炭の黒色」(neroは「黒い」、carboneは「石炭」)なども同様である。
 
イタリアで出版されている国語辞典のcolore「色」の項を見ると、color acciaio「鋼
(はがね)色」、color ghiaccio「氷色」など筆者の目には新鮮な用例が載っていた。
このほかにもおもしろい色彩表現があるかもしれない。

そこで筆者は、ローマの画材店を廻り、色見本の蒐集に奔走することとなった。
すると、イタリア語ならではと思われる色彩表現が見つかった。color Atene「(ギリシャ
の首都)アテネ色」、color autunno「秋色」、color siesta「午睡色(眠くなるような
薄い空色)」、color testa di moro「黒人の頭色」、color bianco elettrodomestici
「家庭用電気器具の白色(これは冷蔵庫のドアの光沢のある白色)」など。

なかでも、風の色が数種存在するのが特徴的である。color bora「ボーラ(=アドリア海
北部の冬の厳しい北東風)色」、color brezza「微風色、涼風色」、color libeccio
「リベッチョ(=温かい南西の強風)色」、color mistràl「ミストラル(=フランス南部の
冷たい北西風)色」、color monsone「モンスーン(=季節風)色」、color scirocco
「シロッコ(=北アフリカから吹く熱風)色」、color tramontana「北風色(寒そうな濃い目
の茶色)」がそれである。




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カテゴリ:イタリア語万華鏡 古浦敏生

古浦敏生(こうら・としお)
広島日伊協会理事 故マリーザ・バッサーノさんよりイタリア語を学ぶ。
広島大学名誉教授。言語学専攻。
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by hiroshimaitaly | 2011-10-13 08:36 | イタリア語万華鏡 古浦敏生

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