イタリア語万華鏡14 『 サンフレッチェと佐藤寿人選手 』
2011年 11月 12日
14 『 サンフレッチェと佐藤寿人選手 』
イタリアはワールドカップを4度も制したサッカー王国である。戦前の1934(昭和9)年
・1938(昭和12)年、戦後の1982(昭和57)年に続いて、2006(平成18)年のドイツ
大会でも優勝した。
我国では1993年春、Jリーグが開幕し、広島にはサンフレッチェSanfrecceという
チームが誕生した。サンフレッチェは日本語の数詞「三」とイタリア語のフレッチェfrecce
(フレッチャfreccia「矢」の複数形)との合成語である。このように異なった言語の構成
要素が混合して出来上がった単語のことを、言語学では「混種語」という。英語・ドイツ語・
フランス語と日本語との混種語は数多いのであるが、イタリア語と日本語との混種語は
珍しい。
そして、サンフレッチェという命名の由来であるが、山陰・山陽10カ国を統治した戦国武将、
毛利元就(1497~1571)の「三ツ矢の訓」に典拠している。
県立広島大学大学院の教え子を介して、サンフレッチェ㈱から、“エースストライカーの
佐藤寿人(さとう・ひさと)選手の背番号11の下に「点を取るのは俺だ!」という意味のロゴ
をイタリア語で付けてほしい”との依頼があった。
そこで、イタリア人の友人に協力してもらって、ヴェ・ロ・ファッチォ・イーオ・ウン・ベル・ゴール
Ve lo faccio io un bel gol !「きみたちのために素晴らしい点を取るのは僕なんだ!」と
することにした。
後日、サンフレッチェ㈱から件のTシャツ(画像参照)が届き、感激した。
2008年、サンフレッチェはJ2に降格したが、翌2009年にはダントツで優勝し、J1に復帰、
佐藤選手も通算100ゴールを達成・活躍している。
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カテゴリ:イタリア語万華鏡 古浦敏生
古浦敏生(こうら・としお)
広島日伊協会理事 故マリーザ・バッサーノさんよりイタリア語を学ぶ。
広島大学名誉教授。言語学専攻。