イタリア語万華鏡18 『 「根競べ」とコンクラーヴェ 』

055.gif  『イタリア語万華鏡』 古浦敏生より 

18 『 「根競べ」とコンクラーヴェ 』

「根競べ」とは、『広辞苑』によれば「根気のよさを比べあうこと」とされている。
これと音がよく似たコンクラーヴェconclaveという単語がイタリア語にはある。
「カトリック教会において、ローマ教皇を選出する選挙システム」のことである。
語源的にはラテン語のクム・クラーウィー cum clavi「鍵の掛かった」に由来して
いる。つまり、選挙人たる枢機卿団は、ヴァチカン宮殿内のシスティーナ礼拝堂
の中に閉じこもり、外から鍵を掛けられて外部との接触を一切断ち切り、ローマ
教皇の選挙を行なうのである。
今でこそ鍵は掛けられなくなったものの、選挙人の3分の2以上の得票者が現れる
まで、何日にもわたって根気強く匿名投票で選挙は繰返される。
第1日目の午後、最初の投票が行なわれる。この第1回の投票で決まらなかった
場合、2日目以降からは1日午前2回、午後2回の計4回の投票が行なわれる。
3日目になっても決まらない場合は、1日投票のない日が入り、助祭枢機卿のうち
最年長者による講話とお祈りが行なわれる。その後も投票が行なわれて決まらない
場合、再び無投票の日が入り、今度は司祭枢機卿のうち最年長者が講話を行なう。
その後の投票によっても決まらない場合、同じようなプロセスが繰り返され、今度は
司教枢機卿のうち年長者が講話を行なう。さらなる投票によっても決まらない場合、
枢機卿団の多数が希望すれば、3分の2以上という必要得票数を下げることができる。
さらに多数の希望があれば、最後の投票で最多得票を得た候補者2人の決選投票に
することもできる。このように、まさに延々と続く「根競べ」なのである。
近いところでは、2005年4月、ヨハネ・パウロ2世(1978~2005在位)の逝去に
ともない、このconclaveが行なわれ、ベネディクトゥス16世が選出された。


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カテゴリ:イタリア語万華鏡 古浦敏生

古浦敏生(こうら・としお)
広島日伊協会理事 故マリーザ・バッサーノさんよりイタリア語を学ぶ。
広島大学名誉教授。言語学専攻。
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by hiroshimaitaly | 2011-12-08 09:18 | イタリア語万華鏡 古浦敏生

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