イタリア語万華鏡20 『 回文 』

055.gif  『イタリア語万華鏡』 古浦敏生より 

20 『 回文 』


回文とは、文頭から読んでも文末から読んでも同じように読める文・語句のこと
である。日本では古くから「たうえうた(田植え歌)」・「たけやぶやけた(竹薮焼け
た)」・「いかたべたかい(イカ食べたかい)」などで知られている。
近年、回文に凝っている趣味人も多く、なかなかの力作が披露されている。
たとえば、「靴噛むとむかつく」・「世の中馬鹿なのよ」・「作りたい気の利いた
理屈」・「あなた、締まりなくなりましたなあ」・「いつ気がついたか、タイツがきつい」
・「草の名は知らず珍し花の咲く」・「迂闊にダムを引く、国費を無駄に使う」など。
 ごく少数であるが、ローマ字に直すと回文になるものもある。たとえば、「駅へ
行け」の場合、仮名のままでは「けいへきえ」となり、回文にはならない。
しかし、ローマ字でekieikeとすると回文になる。ほかにこの種のものとして
「秋売るイカakiuruika」・「オリオンの色orionnoiro」・「行け、尼さん、浅間駅
ikeamasanasamaeki」などがある。

 さて、「イタリヤ語やりたい」も回文であるが、イタリア語にも回文はあるの
だろうか。イタリアの国語辞典をひも解くと、アモール・ア・ローマamor a Roma
「ローマでの恋」、エーラン・イ・モーディ・ディ・ドミナーレEran i modi di
dominare.「それらは支配の様式であった」くらいしか出ていない。やはり、
数は少ない。
 筆者は四半世紀の長きにわたって、広島市の安田女子大学で非常勤講師
として「言語学概論」を講じている。ここの学園訓は「柔(やさ)しく、剛(つよ)く」
であって、この学園訓を織り込んだ回文を考えてみた。
「だすやさしくつうがくがうつくしさやすだ(出す『柔(やさ)しく…』、通学が美しさ、
安田)」。“学園訓の精神『柔(やさ)しく…』を前面に出す。通学する姿が美しい
安田学園”という意味であるが、ちょっと苦しいか。


072.gifこちらから1~すべての記事が読めます↓
カテゴリ:イタリア語万華鏡 古浦敏生

古浦敏生(こうら・としお)
広島日伊協会理事 故マリーザ・バッサーノさんよりイタリア語を学ぶ。
広島大学名誉教授。言語学専攻。
[PR]
by hiroshimaitaly | 2011-12-16 09:30 | イタリア語万華鏡 古浦敏生

Associazione italo-giapponese di Hiroshima 広島日伊協会へようこそ♪


by kibi
カレンダー
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31