イタリア語万華鏡30 『 擬音語 』

055.gif  『イタリア語万華鏡』 古浦敏生より 

30 『 擬音語 』

擬音語(または、擬声語)とは「自然音を模倣することによって
作られた語彙」のことである。時計の音を再現しようとするチクタク、
ニワトリの鳴声をまねるコケコッコーなどがそれである。
日本語は、一般に、擬音語を多用する言語であるとされ、擬音語
辞典も多種出版されている。

さて、イタリア語はどうであろうか?イタリアの著名な言語学者
ミリオリーニは、イタリア語に特異な擬音語として、①タイプライター
のキーを打つ行為を指すティッケッティーオticchettio、②管から
ゴボゴボ音をたてながら出て来る水の音を指すグログロッティーオ
gloglottio、③大きな物がぶつかったり、壊れたりするガシャンと
いう音を指すパタトラックpatatràcを挙げている。
しかし、イタリア語は、一般に、擬音語をあまり用いない言語である
ように思われる。もちろん、擬音語辞典の類は出版されていない。
筆者の調査によれば、イタリア語における擬音語の使用頻度は、
日本語を100とすれば、30~50程度であり、さほど高いものではない。
このようにイタリア人にはあまり好まれない擬音語ではあるが、
文豪ダンテは代表作『神曲』の中で、tin tin suonando con sì
dolce nota「(時計が)いとも妙(たえ)なる調べでティンティンと鳴り」
(天堂編第10歌143行目、野上素一訳)と、擬音語を用いている。
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フィレンツェのポンテ・ヴェッキオ(1345建立)
 
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カテゴリ:イタリア語万華鏡 古浦敏生

古浦敏生(こうら・としお)
広島日伊協会理事 故マリーザ・バッサーノさんよりイタリア語を学ぶ。
広島大学名誉教授。言語学専攻。
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by hiroshimaitaly | 2012-02-04 13:55 | イタリア語万華鏡 古浦敏生

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